あらすじ
サント・ブウヴは、批評を科学と芸術の両方と捉え、その本質を見抜く鋭い洞察力を持つ批評家でした。彼の批評は、対象にメスを入れるように深く、隠れた美質を明らかにします。フランス文学への理解は、サント・ブウヴの「毒舌」に負うところが大きいと言われるほどです。批評の魅力に惹かれる人は、彼の業績に目を向けるべきでしょう。
 批評は科学でもあり芸術でもあるといふ意味に於て、サント・ブウヴは正に批評家の典型である。批評の対照は彼によつて概ね例外なく鋭いメスを加へられ、そして、隠れた美質をつまみ出された。フランス文学の理解は、彼の「毒舌」に負ふところが多いことを、誰でも認めるだらうが、たゞ批評に魅せられることを望むものも亦、彼の業績を一瞥すべきである。

底本:「岸田國士全集26」岩波書店
   1991(平成3)年10月8日発行
底本の親本:「サント・ブウヴ選集 第一巻付録」
   1943(昭和18)年11月15日
初出:「サント・ブウヴ選集 第一巻付録」
   1943(昭和18)年11月15日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年5月21日作成
2011年5月22日修正
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