あらすじ
新聞小説には、読者や新聞社が求める型があるため、作家は自分の真に書きたいものから離れてしまうことが多いです。しかし、懸賞小説は、そうした制約から解放され、作家が自由に書きたいものを書ける絶好の機会なのです。作家は、この機会を逃さず、自分の真価を問うべく奮って応募すべきです。懸賞小説は、さうした作家としての、当然のではあるが、悲しむべき顧慮を、一切放擲していゝ、書きたいだけを書くもつとも好い機会である。少し大げさな表現に過ぎたかも知れぬが、自分はさう思つてゐる。作家たる者、この覚悟で奮つて応募すべきである。
了
底本:「岸田國士全集22」岩波書店
1990(平成2)年10月8日発行
底本の親本:「東京朝日新聞」
1933(昭和8)年2月2日
初出:「東京朝日新聞」
1933(昭和8)年2月2日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
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