あらすじ
「キミ」「ボク」という言葉が流行するなど、現代女性の言葉遣いや行動を、独自の視点で観察し、痛烈に風刺するエッセイです。特に、当時の「モダン・ガール」と称される女性たちに対する著者の複雑な感情が、ユーモアを交えながらも鋭く表現されています。封建時代と現代の女性像を対比させながら、当時の社会状況や価値観を反映した興味深い考察が展開されます。かうした口をきく女の子は、奇妙にアリストクラテイツクな学校の生徒に多い。例へば家庭では「遊ばせ」言葉を使つてゐるやうな女学生が、友達同士になると反動的に「キミ」「ボク」といふ調子で話をするやうである。
つく/″\考へるのだが、所謂モダン・ガールといふものは、随分向うみずな我儘なものだと思ふ。今更こんなことをいふのはをかしいけれども、話などしてゐると我武者羅で圧倒されるが、彼女達は自分の弱点を少しも反省してゐない。ガンと一つやられゝば参つてしまふのに、少しもそれに気がついてゐないらしい。そんな点は却つて封建時代の女の方がしつかりしてゐたらう。現代はその反動期なのかも知れない。
了
底本:「岸田國士全集23」岩波書店
1990(平成2)年12月7日発行
底本の親本:「東京日日新聞」
1936(昭和11)年8月18日
初出:「東京日日新聞」
1936(昭和11)年8月18日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
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