あらすじ
薩摩藩と長州藩の密約を仲介し、後の明治維新へと繋がることになる坂本竜馬。彼が、土佐藩の船中で思いついたのが「船中八策」です。この策は、日本の将来を大きく変える、革新的な内容となっています。そこには、薩長同盟実現への熱い思いと、新しい日本のあり方に対する鋭い洞察が見て取れます。
一、天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令宜しく朝廷より出づべき事。
一、上下議政局を設け、議員を置きて万機を参賛せしめ、万機宜しく公議に決すべき事。
一、有材の公卿・諸侯および天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、宜しく従来有名無実の官を除くべき事。
一、外国の交際広く公議を採り、あらたに至当の規約を立つべき事。
一、古来の律令を折衷し、新に無窮の大典を撰定すべき事。
一、海軍宜しく拡張すべき事。
一、御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事。
一、金銀物貨宜しく外国と平均の法を設くべき事。
 以上八策は、方今天下の形勢を察し、之を宇内うだい万国に徴するに、之を捨てて他に済時の急務あるべし。いやしくも此数策を断行せば、皇運を挽回し、国勢を拡張し、万国と並立するも亦敢てかたしとせず。ふしねがはくは公明正大の道理にもとづき、一大英断を以て天下と更始一新せん。

底本:「日本の思想 20 幕末思想集」筑摩書房
   1969(昭和44)年7月5日初版第1刷発行
   1975(昭和50)年4月15日初版第4刷発行
底本の親本:「坂本竜馬関係文書」
入力:志田火路司
校正:土屋隆
2004年11月6日作成
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