あらすじ
堀辰雄氏の作品集『絵はがき』は、日本の生活様式を新鮮な視点で捉え、古典の明るさと西洋の爽やかさを融合させた文章で書かれた作品集です。若い世代には、新しい文学への生き方を示す示唆に富んだ作品であり、壮年期以上の方々には、叙景力と抒情力に満ちた文章の新鮮さに驚くことでしょう。散文においても、また詩においても若い文学の世代に生きようとする人には、是非この本を読んでほしい。壮年期以上の人々にとつては新しい感覚に充ちた文章の、叙景力・抒情力に打たれて見るのも、喜ばしい驚異に行き会ふことになるだらう。今、大変健康をこはしてゐる堀氏を思ふと、早く起ち直つて、幾篇かの後世に伝ふべき創作集を、整頓する勇気を、持ち直してほしいと、切に思ふ。
了
底本:「折口信夫全集 32」中央公論社
1998(平成10)年1月20日初版発行
初出:「毎日新聞」
1946(昭和21年)年11月4日
※底本の題名の下に書かれている「昭和二十一年十一月四日「毎日新聞」」はファイル末の「初出」欄に移しました。
入力:門田裕志
校正:多羅尾伴内
2003年12月27日作成
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