あらすじ
水上滝太郎は、さまざまな分野の第一人者たちと出会う中で、永井荷風先生だけが頭の下がる存在だと語ります。小説家という、時に奇行に走る人間が多い世界において、永井先生に出会えた喜びを、率直な言葉で表現しています。水上滝太郎にとって、永井荷風先生は特別な存在だったことがうかがえます。
 政治家、實業家、役人、軍人、教育家、いろいろちがつた職業に從事してゐる第一流と呼ばれる人間に逢つても、頭の下る人は皆無に候處、兎角はきちがへた人間の多い小説の作家の中に、永井先生をみる事は欣喜至極に御座候。小生は先生の前に出る時自ら頭が下り申候。(大正七年一月七日)
――「新潮」大正七年二月號

底本:「水上瀧太郎全集 九卷」岩波書店
   1940(昭和15)年12月15日発行
入力:柳田節
校正:門田裕志
2004年12月5日作成
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