あらすじ
「ジムバリストを聴いて」は、音楽の力を通して、芸術の真髄を見つめる、宮本百合子のエッセイです。著者は、ジムバリストという音楽に深く心を動かされ、音楽から得た感動を、小説における技巧や内容という概念に重ね合わせ、独自の解釈を展開します。音楽と文学、そして芸術の本質について、独自の視点で語られる作品です。
 ジムバリストの演奏をきき、深く心に印されたことは、つまり芸術は、どんな種類のものでも、真個のよさに至ると、全く同じような感動、絶対性を持っていると云うことです。自分は、まるで素人で、楽譜に対する知識さえ持っていませんでした。けれども、音に、胸から湧く熱と、精神の支配力との調和が、驚くほど現れ、小説で、所謂技巧内容と云う考えの区別のしかたに、新しい眼を開かせられました。
〔一九二二年六月〕

底本:「宮本百合子全集 第十七巻」新日本出版社
   1981(昭和56)年3月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第4刷発行
初出:「婦人之友」
   1922(大正11)年6月号
入力:柴田卓治
校正:磐余彦
2003年9月15日作成
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