あらすじ
ブル新が、共産党の活動を歪めて報道していることに、宮本百合子は強い憤りを感じています。記事では、婦人党員の活躍を認めながらも、一方で彼らを「家政婦」や「色仕掛」と貶め、まるで金を巻き上げる存在のように描いているのです。しかし、実際には多くの婦人党員が男の党員と共に、ストライキや小作争議で重要な役割を果たしています。労働者階級の解放なくして婦人の幸福はあり得ない、と宮本百合子は訴え、勇敢な勤労婦人が今後もプロレタリアの党のために働き、多くの前衛婦人が誕生することを期待します。
 ブル新が支配階級の道具であって、彼らの利益を守るように記事に事実でないことを書くことは、今度の共産党エロ班などということに実によく現れていると思います。
 同じ一つの新聞が、三田土ゴムの女工さんであった児玉しづ子をはじめ多くの婦人党員が、男の党員とともにめざましい働きをしたと書きながら、裏をかえすとまるで婦人党員は、家政婦の役だの色仕掛で金をまき上げるようなことだのばかりしていたように書き立て、しかも事実何人がその記事の種とされているかというと、たった一人。おまけにあとでその新聞が訂正を出したりしている。
 資本主義の行きつまりを、支配階級は戦争と、勤労階級を一層しぼり上げることによってぬけ出そうとしているが、このことは男よりやすい賃銀で十時間、十二時間働らかせられる勤労婦人をも、ついにふるい立たせています。婦人の幸福はプロレタリアの勝利がなければだめなことが、ソヴェト同盟の実例によって、わたしたちみんなにわかってきた。婦人の参加しないストライキ、小作争議というものは、今日はもうどこにもありません。
 大衆の先頭に立って闘うプロレタリアの党に献身的に活動する婦人がふえ、しかもあらゆる社会の層からそういう人々が出て来ることはまことに当然です。今後はますます勇敢な勤労婦人がプロレタリアの党のために働き、百人千人の前衛婦人が生れるでしょう。
 一人でも多く勇ましく、しっかり闘うプロレタリアの婦人がいることを知るのは何という大きなわたしたちのよろこびでありましょう!
〔一九三三年二月〕

底本:「宮本百合子全集 第十四巻」新日本出版社
   1979(昭和54)年7月20日初版発行
   1986(昭和61)年3月20日第5刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第九巻」河出書房
   1952(昭和27)年8月発行
初出:「働く婦人」
   1933(昭和8)年2月号
入力:柴田卓治
校正:米田進
2003年5月26日作成
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