あらすじ
老いて生きることは醜いものだと、作者は考えます。三十歳になった時、青春の終わりを感じ、深く落胆した彼は、四十歳で自死しようと決意していました。しかし五十歳を過ぎてもなお、生への執着は消えず、老醜を曝すことを恐れている自分に、浅ましさを感じます。芸術家にとって老いは、精神的な永遠の青年でありたいという願望と、肉体の衰えという現実の衝突であり、その葛藤は深いものです。しかし作者は、老いというものが、決して悲観すべきものではなく、むしろ若い頃には味わえなかった深遠な情趣や静かな愉楽があることを、自身の経験を通して知ります。それは物質的な余裕だけでなく、精神的な余裕を得たことによるものであり、人生に対する考え方、そして自分自身に対する見方が変化したことを意味しています。了